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便秘と簡単にいいますが、どのくらい排便がないと便秘というのでしょう。排便は毎日なければいけないのでしょうか。いえ、そんなことはありません。2、3日置きでも、それが規則ただしく、不快でなければ便秘ではありません。
便秘を訴える人は排便が数日ない上に、便が出てもすっきりしない、出残った感じがある、切れ切れで少量しか出ない、長時間トイレで粘らないと出ないなどと排便時の不快感を訴えます。
現代医学では便秘を器質性便秘と機能性便秘に分けています。器質性便秘は大腸がんや腸管の癒着など腸管に病変があって、便が通りにくくなっているために起こる便秘で、重い病気が多いため、すぐに専門医の診断を受ける必要があります。今まで便秘など起こしたことがなかった人が急に便秘に悩まされるようになったときや、血便が出るといった症状があったときはすぐに受診してください。
機能性便秘は、蠕動運動が弱るために起こる弛緩性便秘、反対に腸の働きがよすぎて起こるけいれん性便秘、排便反応が鈍感になって起こる直腸性便秘に分けられます。一般に便秘というと、この機能性便秘を指し、そのため常習性便秘とも呼ばれています。
この中で、特に中高年齢者がなりやすいのは、体の老化とともに筋肉が衰え、その結果 、蠕動運動も弱まって便が長時間停滞し、必要以上の水分が吸収されて、便が小さく硬くなる弛緩性便秘です。
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漢方でも排泄機能をつかさどっているのは小腸や大腸ですが、これらの排泄器官がスムーズに働くために重要な役目を担っているのは肝と腎という器官です。
肝には全身の機能をスムーズに働かせる作用があるため、加齢により肝の機能が衰えると排便もスムーズにいかなくなります。腎には消化器官を潤す作用と温める作用があり、腎の働きが弱ると、便が乾燥してコロコロ便になったり、消化器官が冷えて働きが鈍り、排便しにくくなります。
こうした潤いのない状態を陰虚、消化器官が冷えて働きが衰える状態を陽虚と呼んでいます。陰虚の場合はコロコロ便で、ガスが多くなり、排便できると割とすっきりするのですが、陽虚の場合はかなりきばって出してもやっと鉛筆の太さのものが出る程度で、あまりすっきり出ません。
いずれの場合も高齢になるとなりやすい便秘ですが、腸の働きをよくするツボ刺激や食べ物療法でかなり改善させることができます。
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■自分で指圧三つのツボ
便秘かなと思ったら、まずは自分で指圧できる次の三つのツボ刺激を行ってみましょう。
@ おへその両脇の「天枢」
おへそから左右へ、指の横幅3本分(2寸)のところにあるのが「天枢」のツボです。ここを親指を除いた4本の指をそろえて、指の腹で片方ずつゆっくり5秒押して、またゆっくり離すように指圧します。6回。
A 足の裏の「裏内庭」
足の裏で、足の人差し指の付け根からかかとに向かって、親指の横幅分(1寸)のところにあるのが「裏内庭」です。ここを右手の親指で3秒押してゆっくり離す指圧をします。10回。
B 足の膝下外側にある「足の三里」
足のすねを下からたどっていくと急に骨が盛り上がるところがあります。そこから親指の横幅分(1寸)の外側のところにあるのが「足の三里」です。ここに千年灸を1壮すえてください。
■人に押してもらう背中のツボ
背中には「大腸兪」という大腸のはたらきをよくする便秘にうってつけのツボがあります。難点は自分で指圧できないことですが、だれかに押してもらうとよいでしょう。「大腸兪」は腰骨を結んだ線上の骨の下から、左右へ指の横幅2本分(1寸5分)のところにあります。
うつぶせに寝て、ここを親指で5秒押し、6回行います。
自分で刺激するには、ゴルフボール2個を用意し、仰向けに寝て大腸兪のツボに30秒くらい当てます。
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■陰虚の場合
山芋、オクラ、ゴマ、ハチミツ、ホウレンソウなど滋潤作用のある食べ物が有効です。このほか、黒豆、エビ、豚肉なども腎を丈夫にして腸機能が正常に働くのを助けます。
■陽虚の場合
陽虚の人はとにかく腸を冷やさないようにすることが大切で、夏でも冷たい飲料水や生野菜をたくさん取るのは控えましょう。陽虚の人によい食べ物は、里芋、ニラ、ニンジン、マトン、ウナギ、シナモンなど体を温める作用のある食べ物です。
■陽虚にお勧め「ヨモギの腹巻き」
陽虚の人は下腹に触ってみてください。ひやりとしませんか。そんな方にお勧めの下腹を温める「ヨモギの腹巻き」です。
<用意するもの>
・日本手ぬぐい4分の1本
・荒モグサ(漢方専門薬局にある)一つかみ
・使い捨てカイロ
作り方
@ 日本手ぬぐい4分の1本を三つ折りにして、二つ折りした部分を袋になるように両端を縫う。
A 袋の中にモグサを詰め、蓋をしてその上に使い捨てカイロを貼る。
B これをモグサ側を下にして、腹巻きなどに挟む。
下腹がほかほかして、とても気持ちがよいものです。
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センナや大黄といった下剤の入った便秘薬を使うのはやめましょう。こうした便秘薬は便秘を解消させるというよりは、無理矢理に出してしまう下剤です。高齢者がこのような便秘薬を使うと、弱った腸の機能がさらに弱り、自力で排便する力をどんどん失わせます。
そのため、だんだん量を増やさないと効かなくなり、それとともに腸もさらに弱って、さらに便秘を助長させるという悪循環をつくります。
使うのがすでに習慣になってしまっている方は、ここにあげたツボ刺激や食べ物療法を行いながら、徐々に量を減らしていってください。
どうしても出ずに下剤として用いる場合以外は、やめにしたいものです。
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