■腰の痛みを解消する
人類の約半数が一生のうち一度はかかるといわれるのが腰痛です。腰痛は高齢者ばかりでなく、20代、30代の若い人にもよくみられます。若い人がなりやすいのは椎間板ヘルニア、脊椎分離症などで、スポーツのしすぎ、腰の使いすぎなどが原因です。高齢になるにしたがって、骨の老化による変形性腰痛症、骨粗鬆症などが増えてきます。何れにせよ腰痛はやっかいな病気ですが、家庭で腰痛を解消する特効法を紹介しましょう。
■高齢になると変形性腰痛症や骨粗鬆症になりやすい。指圧や体操で痛みのない生活を。。。
腰痛は二本足で立つようになった人類の宿命といわれる病気です。四本足で歩いていた人類の遠い祖先が二本足で立つようになったとき、重い頭を支えたのは脊椎と腰椎でした。このようにもともと人体は無理のある構造を持っている上に、高齢になると、腰椎を支える筋肉、靭帯、関節の椎間軟骨などが弱くなり、異常が起きるようになってきます。
私たちが自由に腰をかがめたり、伸ばしたりできるのは、腰椎が一つの大きな骨ではなく、いくつもの骨が重なってできているからですが、この骨と骨とをつなぐ役割をしているのが椎間板といわれるものです。椎間板は上下の骨の間でクッションのような役割をしている弾力のある軟骨で、中央に髄核というゼラチン上のかたまりがあり、その周りには線維軟骨によってつくられた線維輪があります。
椎間板は十分に水分を含んだこの髄核と弾力のある線維輪で、腰椎にかかる衝撃を緩和しています。
ところが、加齢と共に髄核や線維輪に含まれる水分が減少していってしまうのです。髄核の水分は生まれたときは90%くらいあるのですが、70歳くらいになると65%に減少し、弾力を失っていきます。線維輪も同様でだんだん水分が減少し、弾力を失い、小さな断裂を生じるようになります。こうして弾力を失った椎間板は、加齢と共に押しつぶされていって、椎体の角にツノのような出っ張りをつくります。しかし、骨には神経がないため、これだけで痛みが出るわけではなく、骨の回りにある靭帯などに影響を与えると痛みとなって現れます。このような腰痛を変形性腰痛症といい、高齢者にもっとも多く見られる腰痛です。変形性腰痛の痛みは朝のほうが強く、日中はだんだんと楽になっていくのが特徴です。
これも高齢者に多い骨粗鬆症になると、骨がスカスカになって、骨折しやすくなったり、つぶれやすくなり、腰椎でこれが起きると腰痛がおきます。
いずれの場合も、痛みが強い場合は安静にし、ツボ刺激などで痛みを緩和します。筋肉が弱ると痛みが出やすいので、体操などで筋肉を鍛えておくことも大事です。
■漢方 戻る↑
高齢者に多く見られる腰痛の原因は、ほとんどが「腎虚」といわれるものです。「腎」は生命力をつかさどる臓器ですが、と同時に「腎」には足腰を丈夫にする働きがあるため、腎が弱る「腎虚」になると、腰痛を起こしやすくなるのです。
「腎虚」はもともと冷え性で寒いと悪化する「腎陽虚」タイプとどちらかというと暑がりの人が引き起こす「腎陰虚」タイプに分けられます。
いずれにしても腎虚の腰痛は、ぎっくり腰のような激しい痛みはなく、腰ばかりでなく、膝にも力が入らない、休むと楽になる、腰に手を当てたり、押すと気持ちがよいなどの特徴があります。
■ツボ療法 戻る↑
・「腎陽虚」「腎陰虚」のどちらもタイプもまず、このツボを…
高齢者の腰痛の特効穴は、腎愉と委中です。腎愉は背骨のウエストの高さにあるツボで、背骨から両側に1寸5分(指の横幅2本分)いったところにあります。委中はひざの真後ろにあるツボです。いずれも、静かに5秒くらい押す事を10回くらい繰り返してください。
■テニスボールで腎愉マッサージ 戻る↑
背中のツボは一人では刺激しにくいのが難点です。テニスボール2個とバスタオルを使って、一人でもできるツボ刺激をご紹介します。
@テニスボールを2個用意し、バスタオルの中央に包み込んで、両端をしっかりひねります。
A布団の上にあおむけに寝て、@をウエストの下に挟みます。テニスボールがちょうどツボに当たるよう、手でタオルの両端を持って調整します。このとき背骨や肋骨に当てないように注意。両ひざを抱えればさらに効果的ですが、無理ならばひざを立てて、強さを調節してください。毎日2、3分行うだけで、痛みが軽くなってきます。
■「腎陽虚」の人にゆで卵刺激 戻る↑
「腎陽虚」の人はとにかく腰や体を冷やさないことが、痛みを解消させるコツです。ゆで卵刺激でおなかを温めると、不思議と腰も楽になってきます。@ゆで卵を2個用意し、1個はタオルに包み、もう1個は冷めないように熱湯につけておきます。
Aあおむけに寝て、@を手に持っておへその当たりをみぞおちから時計周りに温めていき、おへそも温めます。途中で卵の温度が冷めてきたら、温めておいた卵と取り換えて行います。皮膚がほんのり赤くなるまで、が目安です。
■「腎陰虚」の人はアキレス腱の指圧 戻る↑
「腎陰虚」の人はアキレス腱を親指と人差し指で挟んで、揉んでください。ここには太けいという腎と大変関連の深いツボがあり、腎の働きを強化することができます。
・体操療法
腰の筋肉を強くするには、腹筋も丈夫にしなければなりません。腹筋を強くして腰痛を防ぐ体操です。
・簡単な腹筋体操
@あおむけに寝て、両手を頭の後ろに組み、ひざは軽く曲げます。
Aおへそが見えるまで頭を持ち上げ、またもとに戻します。20回位できるとよいですね。
・腰の筋肉を丈夫にする体操
@あおむけに寝て右ひざを立て、息を吸いながら無理のない程度に左側に倒します。
Aゆっくり息を吐きながら、元に戻します。左ひざも同様に行い、左右交互に5回ずつ行って下さい。
■日ごろ気をつけたいこと 戻る↑
高齢者の腰痛の特徴は朝に痛むことが多いのですが、腰を冷やさないようにサラシを巻いて寝ると、痛みがずっと楽になります。サラシを2つ折りにして腰全体を包むように巻きましょう。腰全体をおおえる腹巻でも効果があります。
痛みが強い時は無理をしてはいけませんが、痛みが軽ければ毎日、30分から1時間は歩くようにしましょう。歩くことは、腰痛ばかりでなく、ひざの痛みの予防、便秘解消、肥満防止につながります。 |